望月歩、常にベストを更新したい!時代劇『ホリデイ~江戸の休日~』で主演

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テレビ東京の新春ドラマスペシャル枠で、7年ぶりとなる時代劇『ホリデイ~江戸の休日~』が、1月6日(金)19時30分から放送される。

本作は、1958年公開の映画『江戸っ子祭』をモチーフに、現代に生きる会社員・鍵山孝平が、幼なじみの戸倉詩織の実家から出てきた“徳川家光が描いた絵”が本物かどうかを調べるために『開運!なんでも鑑定団』に出演したことから展開する、第3代将軍徳川家光と町娘の身分を超えた恋模様だ。

主人公・鍵山孝平と徳川家光の二役を演じるのは、映画・ドラマと出演作が続く若手俳優・望月歩さん。ヒロインを葵わかなさんが演じる。共演者には里見浩太朗さん、高橋英樹さんをはじめ、髙嶋政伸さん、上川隆也さん、名取裕子さんらベテラン俳優たちがズラリ。そんななか主演として作品に挑んだ望月さんにお話を伺いました。

徳川家光(望月歩)、町娘のお仙(葵わかな)
徳川家光(望月歩)、町娘のお仙(葵わかな)

――7年ぶりとなるテレビ東京の新春時代劇ですが、お話を聞いたときはどんなお気持ちでしたか?

僕のなかで大事にしているのは、規模の大小にかかわりなく、真摯に作品に向き合うということなのですが、台本をめくるたびにすごい俳優さんたちの名前がズラリと並んでいるので、より一層気合を入れなければ……という思いがありました。そんなプレッシャーを感じた瞬間でしたね。

――台本を読まれてどんな印象をうけましたか?

最初、現代で演じる孝平と家光という人物に共通点があるべきなのかなと思っていたんです。視聴者の方にも、どこかで孝平というのは、家光の子孫で……という含みを持たせた方がいいのかなと。でも監督に話を聞くと、まったく別人として考えて大丈夫ということだったので、それぞれの人物をしっかり演じようという認識を持ちました。

――徳川家光というのは歴史的にも有名な人物ですが、望月さんはどんなイメージを持っていましたか? また台本を読んで、そのイメージは変わりましたか?

家光さんってすごい方なのですが、ちょっと変わった逸話を持っている人なんですよね。でも、そういう要素はこの物語のなかでは全く必要ないんだなと思いました。将軍になる人物なのですが、どちらかというと現代人に近いというか、いまの時代の人と同じ悩みを持っているというか、親近感がある人物だなと感じました。史実は大切にしつつも、より多くの人に共感してもらえるキャラクターになればいいなと思って撮影には臨みました。

――演じた家光さんの魅力は?

間違ったことをしてしまったとき「このままじゃダメだ」ってちゃんと行動できる部分ですかね。既成概念にとらわれず、しっかりと前に進んでいけるところが素敵だなと思いました。

――葵わかなさんとのお芝居はいかがでしたか?

最初は殿様としての立ち振る舞いや所作など自分のことでいっぱいいっぱいだったのですが、葵さんはすごく相手に合わせてくれるというか、僕がやりやすいようにお芝居をしてくださいました。とてもお芝居が上手な方だなと思いました。

――将軍の所作は大変でしたか?

僕は歩き方が一番苦労しました。台本にも「風格に圧倒されるような」みたいなト書きがありました。言葉では何となく理解しても、実際そういう雰囲気を出すというのはとても難しい作業でした。

――どのようにクリアしていったのですか?

所作の先生に指導していただきました。あとは里見さんに「自分が背負っているもの、例えば民を背負っているということを意識してやるといいよ」とアドバイスをいただき、技術だけではなく、気持ちも大切なんだなということを学びました。とてもありがたかったです。

――現代劇にも活きることが多いなと感じましたか?

現代劇では自分なりに演じる人物についてのバックボーンなどが考えるのですが、時代劇で得た部分も大きかったです。将軍としての重みみたいなものを、しっかりイメージするというのは、なかなかない経験でしたから。

――里見浩太朗さんとのお芝居はいかがでしたか?

和服姿の風格が「これだ!」と思うぐらいすごかったです。とても憧れる部分が多かったです。

――大先輩とのお芝居は刺激を受けましたか?

はい。役が経験してきた人生が、ちゃんと実感できるところまで落とし込めたら、お芝居というのは深くなるんだろうなと感じました。髙嶋政伸さんも、普段はとても丁寧で優しい感じなのですが、役に入るとガラッと変わるんです。まさにその人にしか見えないような……。技術的な部分ももちろんなのですが、その人の人生を生きていると思える部分はすごいなと思いました。

――そんなすごい方々のなかで主演を務めました。

雰囲気づくりみたいな部分は、大先輩方がいたので、お任せしちゃいました。僕はとにかく自分の役と向き合って、家光だったらこうするのかな……と感じた部分をしっかり表現しようと心がけました。でも一番楽しそうに現場に居られたと思います。

――2023年スタートの作品になります。どんな年にしたいですか?

いろいろな目標があるなかで、一つ大切にしているのが「〇〇の望月君だよね」という部分を常に更新していきたいと思っています。いまだと「『ソロモンの偽証』の望月くんだよね」とか「『アンナチュラル』の望月くんだよね」みたいに言われると思うのですが、その作品が常に新しくなっていたら嬉しいです。1年のスタートに、こんなに素敵な作品に関わらせていただいたので、その勢いを感じながら、丁寧に進んでいきたいです。

――2023年、仕事以外にチャレンジしたいことはありますか?

なんだろう。あまりそういうのがないんですよね。でもチャレンジじゃないかもしれませんが、ゲームが好きなので、ゲーム実況みたいなものはやってみたいです。

――仕事が一番の楽しみ?

そうですね。一番は仕事かもしれません。

――いろいろな役柄を演じていますが、やってみたい役は?

最近明るい役もやらせてもらいますが、いままでは結構暗い役が多かったんですよね。そんななかで、悪い役はやったことがあるのですが、本当の悪みたいなものはやったことがないんです。善悪というのはなかなか一言で話せない部分があるので難しいのですが、本当に悪にまみれた役はやってみたいです。

――超恋愛映画の主人公みたいなものは?

あ、それもやりたりです(笑)。先日まで放送していた『silent』を好きで見ていたのですが、あれはズルいですよね(笑)。みんな心動かされてしまう。ああいう役はやってみたいです。

――最後に『ホリデイ~江戸の休日~』の見どころをお願いします!

すごい方々が出演しているおかげで、本格的な時代劇の面白さがありながら、一方で作風自体は軽やかな感じなので、とてもバランスが良い作品です。普段時代劇に馴染みがない方はもちろん、多くの方に楽しんでいただけると思います。

(取材・文:磯部正和)

<あらすじ>
決められた三代将軍の座に嫌気が差した家光(望月)は「魚屋になった方がマシ!」などと言い出し、周囲を困らせる。一計を案じた大久保彦左衛門(里見)は知り合いの魚屋・一心太助(髙嶋)に預け、修行させることにするが、偶然出会った町娘・お仙(葵)と恋に落ちてしまう……。

そんな中、次期将軍の座を争う別の一派が「家光暗殺計画」に乗り出してくる。果たして家光の命は無事なのか? そして二人の恋の行方は……?

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