草彅剛&やすともの絶妙な掛け合いの誕生秘話を『うさかめ』番組Pが語る!

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草彅剛&やすともの絶妙な掛け合いの誕生秘話を『うさかめ』番組Pが語る!
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草彅剛さんとお笑いコンビ・海原やすよ ともこ海原やすよさん、海原ともこさん)の3人がMCをつとめる『草彅やすともの うさぎとかめ』(読売テレビ、毎週日曜12:35〜※関西ローカル)のスピンオフ動画が、12月25日から民放公式テレビ配信サービス「TVer」で配信されます。

同番組は、童話「うさぎとかめ」をモチーフに、料理など特定のジャンルやテーマで、その道のプロや専門家にたった1時間だけ教わる要領のいい“楽なうさぎタイプ”と、インターネットに転がるマユツバ情報を頼りに1週間コツコツ頑張る“かめタイプ”のどちらが、お題となるジャンルを極められるか?を競うバラエティ番組。草彅さんとやすともさんの3人はスタジオで対決VTRを見ながら、毎回まったりとしたトークで番組を盛り上げます。

TVerでは、番組に寄せられる視聴者からのハガキを3人が読み上げ、トークを行うスピンオフ動画が配信中。そこで、本番組の遠山正悠プロデューサーにスピンオフ番組の見どころや同番組の魅力、草彅さんとやすともさんの3人の撮影中のエピソードなどを聞いてみました。

印象的な収録は「キムチを漬ける」回?

――まず、ユニークな発想が盛りだくさんなこの『草彅やすともの うさぎとかめ』を企画したきっかけを教えてください。

家族みんなで見られる日曜お昼の番組を作るということで、ゆっくり見られるような番組がいいなと思ったのが最初です。やすともさんは関西で大人気なので、まずはやすともさんに出演していただこうと決めたんです。

――やすともさんと組むのが草彅さんというのもとても斬新なアイデアだと思いました。

やすともさんをどんな人と組ませるといいかなと考える中で、やすともさんは結構芸人の方と組んで番組に出られることが多いので、芸人さん以外で、“見る人がどこかいい意味での違和感を覚えるような組み合わせができないかな”と思ったんです。何人か候補がいる中で、草彅さんは面白いのではないかと思いました。僕が草彅さんを好きだということも理由の一つです(笑)。3人とも空気がやわらかくて、人を悪い風に言わない。相手をリスペクトして話していくスタイルが今の時代にあっていて、家族で見るのにいいのではないかと考えたんです。

――3人が組むことで独特の雰囲気が番組に生まれました。

以前、歌番組を担当した時に、やすともさんに出演いただいたことがあるんですが、アーティストの方々がいっぱい来る中、初めましての人と話す時のやすともさんの接し方や、そのほんわかとした話術がすごいなと思っていたんです。そんなにグイグイいかないのに素顔を引き出す。草彅さんも、楽しい時は全力で楽しむし、口に合わないものを食べると忖度なしに「僕ダメ」と仰る。失敗をした時は「ウワッ!」と少年のような顔をする。その自然な感じが、やすともさんの“姉妹しゃべり”とうまくマッチすると思っていました。自由な草彅さんを、振り回されながらもやすともさんがしっかりとコントロールする関係性に、初回の収録から手応えを感じました。作らない感じというか、3人の雰囲気が、人の家の中を覗くような柔らかい感じがあって、すごくいいなと思ったんです。

――“うさぎとかめ”という童話をモチーフにしようというアイデアはどこから生まれたんですか。

企画自体は2年くらい前から既にあって、料理の回でいうと、普通、テレビ番組はスゴ技を持つような人をストレートに紹介するというのが王道の作り方。それをどう紹介するかがやり口の違いになるんですが、そこに至るまでにいろいろな対立軸を持たせました。

一つはプロ対素人という目線。もう一つは1時間と1週間という目線。あとはプロの確たる技とネット上にある情報という対比。他にも、要領よくやる人と地道に頑張ってやる人など……それらの対立軸が全て織り混ざって、お互いがお互いを立たせられるような状況が作れないかなと。でも“うさぎとかめ”をタイトルにしようとなったのは最後の段階です。いろいろな対立軸を作っていく中で、それこそ「うさぎとかめ」の物語だなと思ったのがきっかけです。

――遠山さんは『うさかめ』の演出も担当されています。毎回出てくるこの番組の企画やアイデアなどはどのように生み出されていくのでしょう。

もちろん僕だけでなく、構成作家やディレクターのアイデアを元に企画会議をするのですが、僕個人でいうと、世間話の中だったり、テレビ業界の人なら誰でもやっていることだとは思うのですが、メモを毎日取ったりしています。日常生活から、「あっ!」と思ったこと、ふと気づいたことをメモするんです。ほかにも、テレビや新聞だけでなく、TVerやAmazon、ディズニープラスも見ます。テレビ番組を作るのであれば偏らないほうがいいと思うので、まんべんなくいろいろなものを見るようにしています。

――番組が始まってから印象的だった回はありますか?

「うさぎ」と「かめ」の対決VTRを見てトークをするというのが番組の軸なんですが、7回目に“キムチを漬けよう”という回があったんです。1時間、ただただ白菜をつけて、唐辛子を入れて……という作業をする回だったのですが、収録する前は“ただキムチを漬ける”だけの内容は、テレビ的にチャレンジングだと思っていたのですが、始まってみると、草彅さんの天然なところなどいい部分がたくさん発揮されて、3人がキムチを漬けながらする日常会話がすごく面白くなったんです。キムチの作り方も三者三様で、それぞれの性格が出ていて。企画を作る上で新しい発見があって、とても印象に残っています。

――料理に関していえば、スタジオで3人の好みなんかもわかったりして面白いんじゃないですか。

そうですね。例えば、草彅さんはスイカがめちゃくちゃ好きなんです。スイカのほかにも体に良さそうなものが好きで、オーガニック、フルーツも大好き。特番の時にミックスジュースを作ろうとなって、リンゴが一つ余ったんですが、「このリンゴもらっていいですか?」と言ってリンゴを持って帰ったり、スイカが出た時も「持って帰っていいですか?」と言ったり(笑)。しかも食べ始めたらたくさん食べるので、一緒に収録していてとても楽しいです。やすよさんは「天津飯」とか「お茶漬け」が大好きで、そのことを草彅さんが面白がってやすよさんをいじるのですが、そんなやりとりが単純に面白いので、その後「天津飯」も「お茶漬け」も、それだけで1時間の企画になったりしました(笑)。

――この番組に登場する“うさぎ”と“かめ”のキャスティングはどんな基準で選んでいるのでしょうか。

草彅さんとやすともさんが柔らかい空気をお持ちなので、「この人いい人だな」というのが選ぶ理由としては一番大きいかもしれません。それと、検証を1週間やっていただくので、頑張れる人がいいと思っています。体当たりで、一生懸命やる人が、1週間何かをやり続けたり、調べ続けたりする姿というのは、見ていてとても面白いですし、見ている人にも興味を持ってもらえる内容になるんです。

いつかロケにも挑戦!?

――視聴者からこんなことをやってくださいという要望も来たりするのでしょうか。

たくさん来ますよ。ロケに出てくださいという要望が一番多いかもしれません。ロケはまだ挑戦していないので、やってみたらどうなるんだろうと興味を持っています。

――料理をする回は、どんな基準で料理のお題を選んでいるんでしょうか。

今まで番組で取り上げたのは、“パラパラチャーハン”や “ふわふわパンケーキ”、“肉汁たっぷりハンバーグ”など、料理の前に修飾語が付く名前のものが多いんです。家でやるのはお店と差があるよね、難しいよねというものが多く選ばれています。

――将来、番組でレシピ本が出せるかもしれませんね。

具体的に計画はないですが、放送でもやすともさんが「これまとめられますね」と言っていました(笑)。うさぎの方のレシピは、僕らが考えたレシピではないので難しい可能性がありますが、かめの方はすぐにまとめられるかもしれません(笑)。

――かめのレシピで一番美味しかったものはなんですか。

かめのレシピも美味しいんですけど、プロのレシピがやっぱりすごく美味しいですよ(笑)。個人的には「バーニャカウダをご飯と一緒に混ぜて炒めると、味もついていてぱらぱらに仕上がって美味しい」というのはその通りでした。僕も家で真似しました(笑)。

――料理対決以外で今後やりたいものはありますか。

スポーツ系とかファッション系もやりたいです。ゲームも。この番組の内容なら、なんでもできると思うんです。定期的に料理はもちろんやり続けて行くんですけど、料理に限らず、身近で真似できることを中心に企画を立てようと思っています。この番組は人をほっこりさせるような番組。だからそんな企画を通じてほっこりしたい人にぜひ楽しんでもらえたらいいなと考えています。


――今回、『草彅やすともの うさぎとかめ』のスピンオフ番組がTVerで配信されることになりましたが、どんな内容でしょうか。

テレビで放送する際、オープニングのコーナーで、視聴者から募集したハガキを読むコーナーがあるんです。たくさんのハガキが届くんですが、毎回の放送で紹介出来ているわけではないので、今回、TVer企画として紹介しようと思っています。テレビではスタッフが選んだハガキを3人に読んでもらうスタイルなんですが、今回は3人に直接選んでもらって、できるだけたくさんのハガキを紹介できればいいなと思います。

――3人のフリートークが楽しみなスピンオフになりそうです。

テレビは、リアルタイムで見ていただくため、視聴者を離さないように展開が忙しいところがあるんですが、配信となると自分の好きな時間で見ていただけるので、3人が好き気ままにしゃべっているのを見てもらいやすい環境なのではと思います。トークベースの内容だと、視聴者も番組のどの部分から入っても出ても大丈夫。そういう意味でTVerに向いている企画だなと思います。

取材・文:名鹿祥史

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