山本舞香、田中圭と吉田鋼太郎の演技に鳥肌「プレッシャーを感じました」【連載PERSON】

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」。今回は、田中圭さん主演Huluオリジナル『死神さん2』で儀藤堅忍(ぎどう・けんにん)の二代目パシリ・小刀祢葵(ことね・あおい)を演じる山本舞香さんです。

山本さんは、大手企業広告のイメージモデル、雑誌「nicola」専属モデルなど、デビュー時から活躍。俳優としても、ドラマ『それでも、生きてゆく』(2011年)を皮切りに、『ハケンの品格』(2020年)、『家政夫のミタゾノ』第5シリーズ(2022年)ヒロイン、2022年10月14日公開予定の映画『カラダ探し』など、その勢いはとどまることを知りません。

本作では、“死神さん”ことクセモノ刑事・儀藤をサポートする小刀祢を熱演。生活安全課から異動となった超ネガティブ&「日本一不幸な女」を自称する彼女と儀藤のやりとりは必見です! “田中圭×堤幸彦”という最強タッグ、各回のビッグゲストとの対峙で緊張感を持って撮影に挑んでいるという山本さん。現場の雰囲気とともに、彼女の秘めたる思いにも迫りました。

堤幸彦作品初出演に「いい刺激」

――山本さんが演じている小刀祢の印象を教えてください。

自分から「不幸を呼ぶ女」と言っているけど、私はそんなこともないんじゃないかなと思っています。そうやって口に出せている時点で、相談する相手・頼れる相手がいるという捉え方をしているので、逆に幸せな子なんじゃないかなって。

――そう考える方がポジティブに向き合えますしね。

儀藤さんが小刀祢の心の謎を解決していくんですけど、そういうことをしてくれる人ってなかなかいないじゃないですか。そんな儀藤さんの無償の愛を感じながらお芝居をしていますね。

――田中さんや堤監督にとっては続編。山本さんは、二代目パシリとして本作に初参加です。

(続編について)おふたりとも、とても気合いが入っていると思います。それに必死についていっている感じですね。

堤監督とは初めましてで、最初は“怖い方なのかな”と思っていたんですけど、実際はすごく優しい方。ただ、大御所の方とご一緒するのは、毎回緊張感があって、クランクアップまで、この緊張はとれないんだろうなと思っています。汗もすごくかくし、初心に戻れるし、現場でとてもいい刺激を受けています。

――小刀祢を演じるにあたって準備したことを教えてください。

儀藤さんは一定のテンションだから、同じくらいのテンションのときもあれば、ギャーギャーいうときもあるし……。全6話バラバラで撮っているので、そのときに感じた“感情”でやっていますね。ただ、私、前の日に読み込んで、(役を)固めるということをしないんですけど、儀藤さんのテンションはなんとなく想像できるので、多少は作っているのかもしれないです。

――本作や先日放送されていた『家政夫のミタゾノ』シリーズなど、バディものが続きますね。

『ミタゾノ』のときは、良い意味で本当にフザケていて、それが成立していたのでとても楽しかったですし、出ずっぱりだったのでだんだん慣れていきましたけど、今回は2日撮ったら1週間空く、みたいなことが多くて……。すぐに人見知りに戻ってしまうので、全然慣れないです(笑)。少し緊張が解けて“すごく楽しい! 明日もあるかな?”と思ったときに、「撮影がない!」みたいなことがあるから(笑)。

――田中さんとは8年ぶりの共演とのこと。共演してみていかがですか?

田中さんが、儀藤さんになる瞬間を見ると“儀藤さんが染み付いているんだろうな”と感じます。スタートがかかると、猫背になって、声のトーン、動き、目の視線、すべてが変わるし、徹底されている。さすがだなと思いました。

――田中さんとはどんな話をされるんですか?

他愛もない話もしますし、質問もします。この間も「台詞が入らないときってないんですか?」と聞いたら、「そういうときもあるよ」と返ってきて安心しました。田中さんも人間なんだって(笑)。

――儀藤の相棒として、各話ゲスト俳優が登場するのも本作の魅力。第1話には7代目相棒・灰田優人役として吉田鋼太郎さんが出演されました。

鋼太郎さんの演技はゾクっとしますね。他の俳優さんとは別格な気がしています。それはオーラだったり、お芝居だったりするのですが、すべての台詞が“普通の会話”みたいなんです。

以前、共演させていただいたときは静かなお父さん役だったんですけど、今回はちょっと陽キャ(笑)。いろいろな役をこなされていて、素敵だなと思うんです。この間もヤクザの役で出演されている映画を拝見したんですが、“それも面白くしちゃうんだ”と感動しました。幅広い役者さんだなと尊敬するし、いつか鋼太郎さんのようになれたらいいなと思っています。

そんな吉田さんと田中さんのお芝居をそばで見たときは鳥肌が立ちました。本当に2人とも完璧で、“これについていけるのか? 大丈夫なのか?”とプレッシャーを感じましたね。

好きだった『しゃべくり007』の出演

――ここからは、山本さんとテレビとの関わりについてお聞きしたいです。幼い頃や学生時代に見ていたテレビ番組は?

アニメ専門チャンネルのカートゥーンネットワークや『しゃべくり007』などのバラエティ番組を見ていました。

――『しゃべくり007』にどんな魅力を感じていたんですか?

こんなにムチャブリさせられて、すごいバラエティだなと思っていました。私も1度出させていただいたとき、想像通りイジっていただけてすごく嬉しかったです。

――いま、よく見ている番組や映画を教えてください。

最近は、ジブリ映画を見ています。いま見ると、小さいときに見ていた感覚と違うんですよ。言葉の重みを感じて、大人になるとまた違う見方ができて面白いなと思いました。

――確かに年齢を重ねると作り手の意図や思いが理解できますよね。

小さいころ、意味もわからずなんとなく“面白いな”と思っていましたけど、歳を重ねてみると、台詞の意味を考えるようになって、また10年後見たらどう思うんだろうと楽しみもあります。ジブリってすごいなと思いました。

――デビュー時と今とで、このお仕事への向き合い方に変化はありましたか?

10代のころ、1人で東京に出てきたんですけど、当時、出会った大人たちに「こうして」「ああして」と言われるのが嫌な時期があったんです。自由に育ってきた分、そのときは“縛られる”ような感覚になっていたんですね。

でもあとから気づいたのは、あのときは守られていただけ。「これやっちゃダメ!」と言われて「なんでダメなの?」と反発していたけど、あのとき守ってくれていたから今の自分があるんだなって。だから人付き合いの大切さについて考えるようになりましたね。

――本作をはじめ、多くの作品に携わられていますが、今後、演技まわりも含めて、なにかやってみたいことは?

男性たちのアクション映画ってよくあるけど、女性メインのアクション映画って少ないと思うのでやってみたいです。あと、人のことをプロデュースしてみたいです。とっても大変だと思うんですが、スタッフさん側に回ってみたいです。

――それでは、最後に『死神さん2』の見どころを教えてください。

「最後こうなるの!?」というオチもそうですし、儀藤さんといろいろなゲストの方のやりとりも含めて楽しいと思います。オムニバスのような形だけど、小刀祢のことは1話から見ないと繋がらないので、ぜひ最初から見てください!

Huluオリジナル『死神さん2』(全6話)
9月17日(土)Huluで独占配信スタート 
※以降、毎週1話ずつ配信

取材・文:浜瀬将樹
写真:松本理加
スタイリスト:津野真吾(impiger)
ヘアメイク:今関梨華様(Linx)

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