FC東京が取り組む3つのクラブ改革に北澤豪も絶賛「ワクワク感がある」

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4月23日に放送されたサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、毎週土曜24:25~)は、FC東京のマーケティング本部長・川崎渉がゲスト出演し、MCの勝村政信や、解説の北澤豪らとクラブの改革についてトークを繰り広げた。

日本サッカーの聖地・国立競技場で、改修後初となるホームゲームを開催するFC東京。改修後に天皇杯やルヴァンカップは開催されたが、これまでJ1リーグの試合は行われてこなかった。北澤は「『東京オリンピック』に向けての準備もあったし、それぞれのクラブがホームスタジアムを持っている中で、精査して進める必要があった」と、その理由を説明し、川崎も「新しいお客様や、普段サッカーを見ないお客様に興味を持っていただくきっかけになり得ると思っていて、そのためのチャレンジとして取り組みたい」と、開催への思いを明かした。

国立競技場での新たな一歩を踏み出すFC東京だが、今年から大胆なクラブ改革にも挑んでおり、その一つである「エンタメ革命」は特に大成功を収めている。改革を担っているのは、プロ野球の横浜DeNAベイスターズで観客動員数を大幅アップさせるエンタメ化に挑み、Bリーグ屈指の人気を誇る川崎ブレイブサンダースでは演出責任者を務めた五十嵐聡だった。

全日本プロレスの副社長も務めた演出のスペシャリストである五十嵐は、今年の1月からFC東京イベント部の部長に就任。ホームスタジアムの味の素スタジアムでは、横断幕を使ったチームカラーの浸透や、アメフトを参考にした選手入場ゲートの設置、光と炎を駆使したスタジアム演出など、様々なエンタメ改革を進めてきた。

五十嵐は「あまり奇抜なことをやろうとは思っていなくて、今まで守ってきたものをよりかっこよく見せるためにはどうしたらいいのかなという発想で取り組んでいます」と、方向性を示し、川崎も「ピッチの中のサッカーが最大の価値だと思っているんですけど、そこに向かうプロセスでピッチの楽しさだったり、盛り上げたりといったお手伝いができると思っている」と自信をのぞかせる。

サポーターにも好評なエンタメ改革について、北澤も「のめり込むような雰囲気があり、ちょっと今までにない感じ」と絶賛。「ライブ感を活かしていく上で、演出やエンターテイメント性はすごく大事だと思う」と主張した。

また、FC東京ではTikTokを活用した「SNS改革」も成功させている。Jリーグは先日、TikTokとサポーティングカンパニー契約を締結。若者にサッカーの魅力を発信するのが狙いだが、FC東京では2018年にいち早くTikTokの利用を始め、フォロワー数はJリーグのクラブでナンバー1となっている。人気の秘密は、普段見られない選手の裏側が覗けること。FC東京では、相手チームとの交流や、代表選手同士のやり取りなどを公開しており、他のクラブのサポーターにも好評だという。

川崎は、TikTokが既存のサポーターの満足度向上はもちろん、新規ファンの獲得にもつながっているとし、「FC東京を知り、興味を持ってもらうきっかけをどう作っていくかというのは大きな課題。そういった接点の一つになり得る」と語った。

そして、FC東京ではチーム強化のための「デジタル改革」も実施。ヨーロッパでは主流の分析班を今年から新設し、練習や試合で選手の様々なデータを収集している。ピッチに設置されたAIカメラは、選手に改善点を伝えるために活用されており、AIが自動でボールを追尾しつつ、見たい部分を自由自在に見ることもできるという。

AIカメラで撮影された映像は、一括管理できるシステムを利用して、選手やスタッフ間で共有。それ以外に、育成年代のアカデミースタッフも閲覧できるようにしており、FC東京のメソッドを映像で細かく伝えている。これには北澤も「アカデミーの子たちが上を目指す中で、クラブの理念や進め方などは、言葉で言われるよりもわかりやすいですからね」と納得していた。

FC東京が国立競技場でホームゲームを開催するのは、4月29日の夜。ムービングライトを設置して、選手を照らしながら臨場感を高めていくと説明する川崎に対し、北澤は「ライブ感がこれまでのスポーツの感覚とは違ってきている。新しい時代が国立で始まっていくのかなというワクワク感はすごく受けました」と期待を寄せる。一方、勝村は「とにかくスタジアムに足を運んでください」とアピールし、「これから新しい国立で、一歩一歩試合を重ねることで歴史になっていく。その最初の一歩ですもんね」と声を弾ませた。

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