松下洸平、新たな世界への挑戦は「臆せず、格好つけずに」『やんごとなき一族』インタビュー

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土屋太鳳さんが主演、松下洸平さんが共演する木曜劇場『やんごとなき一族』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)が、4月21日より15分拡大SPでスタート、及び民放公式テレビ配信サービス「TVer」にて無料リアルタイム配信される。

原作は、「Kiss」(講談社)で連載中のこやまゆかりさんによる同名コミック。庶民の家庭から上流社会の一族に嫁ぐことになった土屋さん演じる主人公・篠原佐都が、理不尽な一族のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄されながらも、夫とともに真正面から立ち向かい奮闘するアフター・シンデレラ・ストーリー。そんな佐都の夫であり、400年以上続く由緒正しき名家である深山家の次男・健太を演じるのが松下さん。演じるキャラクターへの思いや初共演となる土屋さんの印象、新たな環境に飛び込む際の心がけについて聞きました。

――今回は、400年続く名家の御曹司役です。

深山家は本当にやんごとない名家でして、しきたりであったり、家の中の独特なルールであったり、一般庶民には理解しがたい部分がたくさんあります。でも、そもそも健太はそこに反発心を覚えて家を出ていますので、健太自身は価値観、考え方、行動一つとっても、本当にいい意味で普通なんですよね。なので、僕は御曹司だからこうしないといけない、ということをあまり考えず、とらわれず、自由に自然体で演じていけたらいいなと思っています。

先日も衣装合わせがあったんですけど、例えば彼の腕時計は家を出てから買ったものなので、そんなに高級なものでもないですし、家に戻ってから急に高級な時計をつけたら、それはちょっと違うのかなと。ただ、生まれてから幼少期、そして家を出るまでは400年も続く名家の中で暮らしていた健太なので、随所に見られる育ちの良さみたいなところは監督と相談しながら表現していこうと思っています。

演じる健太の魅力とは?
演じる健太の魅力とは?

――健太のどんなところに魅力を感じていますか?

健太は佐都とは違う生き方をしているけれど、彼は彼なりにもがいて大きなものと戦おうとしているんですよね。健太は健太で結構突っ走るところがあって、そこが彼の不器用な部分。思ったらすぐに行動するようなタイプでもあるので、ただ世間知らずのお坊ちゃま的に見られないようにするにはどうしたらいいかな、とは考えてます。そういった彼の元々持っている性格は僕もかっこいいなと思いますし、“常に一般庶民の考え方をもとに行動している”というところもきちんと描いていかないと、健太自身のことも愛していただけないような気がするので、そこは気をつけて演じていきたいです。

――土屋さん演じる佐都についてはいかがですか?

健太が佐都のどこに惹かれたのかを考えると、一番大きいのは“家族の絆”だと思います。そこが健太にとって欠落してしまっていた部分なので、佐都が家族を大切にして、自分が住んでる街の人たちとも絆を深めて幸せに暮らしているところに憧れも抱くでしょうし、そこを大切にしている佐都がすごく魅力的で、素敵だと思うんです。それから彼女は突拍子もない行動をするところがあるんですけど、そんな彼女の思い切りの良さに引っ張られたり、励まされたり、支えられたり、助けてもらったり。そのすべてが健太にとっては新鮮だったと思うし、憧れと尊敬と愛情がすごく生まれてくるのではないかと思います。

ふんわりした土屋太鳳ちゃんを引き出したい

――土屋さんと共演する上で楽しみにしていること、期待していることはありますか?

土屋さんはいつも明るくて、あまり人見知りするような方でもないように見えましたし、何よりもすごく丁寧な方だと感じました。だからこそどんな下町で育った“威勢の良い佐都”なのかめちゃくちゃ楽しみです。僕の知らない土屋さんがたくさんいらっしゃると思うし、「どういう喋り方なんだろうなぁ」「どういう表情をするんだろう」「健太と2人になったときの佐都ってどういう感じなんだろう」など、様々な想像をします。あとは、もしかしたらですけど……ごめんなさい、僕も人のこと言えたあれじゃないんですけど(笑)、ちょーっと天然ですか? まだわからないですよ? でも、時々垣間見えるポワンとした空気というか、ふんわりした土屋太鳳ちゃんがいるので、そこをもう少し引き出したいなって思います。

――佐都と2人きりのシーンは、新婚らしい雰囲気になりそうですね。

1話では、深山家の中で起こるギスギスした息苦しいシーンや、緊迫したシーンも多いと思います。ご覧になる方には「なんて家なんだ!」と、怒りの感情や、いろいろな感情が出てくると思うんですけど、そういう胸がギュッとなる感じを、僕と佐都2人きりのシーンのときだけはほぐせるような、ちょっと息が吸えるような、人間のオンオフの部分が見せられたらいいなと。本当に大切な人の前だからこその喋り方とか、接し方とか、きっとあると思うので、そこは土屋さんと一緒に相談しながら“かわいい2人”でいたいとは思っています。

松下洸平が新しいことを始めるときに意識していることとは?
松下洸平が新しいことを始めるときに意識していることとは?

――佐都は上流社会という新たな世界に飛び込みますが、松下さんご自身が何か新しいことを始めるときに意識していることはありますか?

3か月毎にドラマの撮影現場が変わるので、なるべく人見知りをしないように心がけています。臆せず、格好つけずに、なるべくありのままの自分を受け入れてもらえるように飛び込んでいくようにしています。

満足いかないからこそ頑張れる

――演じる健太は強い信念の持ち主ですが、松下さんご自身の中に「これだけは譲れない」という信念はありますか?

すごく難しいんですけど、できる限り僕が努めて考えているのは、自分自身が満足しているかどうか。これが、とても大切だなと思います。芝居をしていても、歌を歌っていても、舞台の上にいても、「自分がこれでいいかどうか」ということを考えています。いつもどこか間違えたり、欠けてしまったりするんですけど、「僕自身が満足いくものを」という気持ちを持ち続けていれば仕事は続けられると思うし、満足いかないからこそ、もう1回、もう1回と、頑張れる僕のエネルギーになっているような気がします。

(取材・撮影・文:nakamura omame)

衣装:スーツ/143000円(ブラックレーベル・クレストブリッジ/SANYO SHOKAIカスタマーサポートTEL0120-340-460)

スタイリスト
丸本達彦(UNFORM)

ヘアメイク
宮田靖士(THYMON Inc.)

<第1話あらすじ>
篠原佐都(土屋)は、母の良恵(石野真子)と2人で下町の大衆食堂「まんぷく屋」を切り盛りする女性。ある日、佐都はかねてより交際してきた深山健太(松下)にプロポーズされ、それを受け入れる。

佐都が健太の実家へ挨拶に行くことになった日、2人を迎えに、1台の高級リムジンが店の前に現れる。なんと健太は、江戸時代から400年以上続く名家で莫大な資産を有する一族・深山家の御曹司だったのだ。

健太の出自に驚き、彼の両親に気に入ってもらえるかと不安がる佐都に、健太はこれまで実家と距離をとってきた理由を正直に打ち明ける。そして、深山家当主である父の圭一(石橋凌)が佐都に会いたがっていることを伝えて安心させる。

その後、2人は深山家に到着するが、圭一から命令された健太の母・久美(木村多江)によって、佐都は門前払いを食らい呆然とする。圭一は、佐都が庶民であるという理由で2人の結婚を受け入れていなかった。上流社会の理不尽なしきたりや深山家内の複雑な人間関係に翻弄される佐都と健太。そしてここから、2人の奮闘の日々が幕を開ける!

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